当センターが医療福祉建築物としての質の高さと、利用者及び病院職員の双方にとって快適で使い勝手が良いことが評価され、平成25年4月26日に医療福祉建築賞2012を管理者である当センター、設計者である㈱共同建築設計事務所、施工者である㈱ヤマウラが受賞しました。

◆受賞者
 開設者:地方独立行政法人 長野県立病院機構
 管理者:長野県立こころの医療センター駒ヶ根
 設計者:㈱共同建築設計事務所(東京都新宿区)
 施工者:㈱ヤマウラ(長野県駒ヶ根市)

◆医療福祉建築賞について
 医療福祉建築賞は日本医療福祉建築協会(JIHa)が主催する顕彰事業で、1991年に創設され21年間に116の施設が受賞されており、2012年は当センターを含め3施設が受賞しました。 毎年、竣工後1年以上3年以内(増改築または改修も含む)の医療福祉施設を対象に作品を募り、厳正な審査の上、もっとも優秀と認められた数施設に賞が授与されています。これは優れた医療福祉建築は建築として質が高いだけではなく、利用者側ならびに職員側にとって快適で使い勝手がよいことが条件とされるため、総合的な評価を行ううえで竣工後実際に使用されてからが評価対象とされています。
医療福祉建築賞受賞一覧はこちらからご覧ください(日本医療福祉建築協会ホームページ)

◆受賞理由 ~医療福祉建築賞2012選評より~
 アプローチから見ると、絵葉書を見るかのように、アルプスの山々を背景に設計者も設計を楽しんだと創造される美しい建物であった。県立病院という硬いイメージ・精神病院の暗いイメージ・厳しい動線分離からの脱皮、見通しのためのどこまでも真直ぐな廊下からの脱皮など、精神病院のイメージを大きく変える施設である。
 病院のイメージを最初に決定づける玄関ホールは、トップライトや中庭もあり、レンガの壁も取り込んだ半屋外的な空間でどこまでも明るく、患者も家族も区別なく落ち着く小さなスケールでありながら、空間を大きく感じさせていた。その一方で、緊張しているであろう初診患者の待合が他の人からストレートに見えない配慮など、全体的に、細かく密度高く設計されている。病棟は、個室中心(75%)であるが、4床室も各ベッドに窓のある個室感覚であり、分配配置されたデイルームからは外の光が入り、外の風景を眺めることができ、長い廊下のイメージから脱皮してアットホームである。
 設計趣旨の説明では、「地域に帰るための病院」「敷居の低い地域に開かれた病院」が主題となっていたが、既に病院が地域の中にあるような感じである。精神病院ならではの治療空間としての共用空間・中庭などの質の高さが印象的であり、これらの空間が患者の生活に生かされていると感じられた。
 自然素材の多様用などによる長寿命化やレンガによる外断熱、メンテナンスコスト低減への工夫など、建築の今日的課題にも応えている。