当センターの建築物は中部圏域の地域社会の発展に貢献する優秀な建築作品であるとして、平成25年12月11
日に第45回中部建築賞を管理者である当センター、設計者である㈱共同建築設計事務所、施工者である㈱ヤマウラ・㈱岡谷組が受賞しました。

◆受賞内容
 第45回中部建築賞 一般部門 入賞

◆受賞者
 開設者:地方独立行政法人 長野県立病院機構
 管理者:長野県立こころの医療センター駒ヶ根
 設計者:㈱共同建築設計事務所(東京都新宿区)
 施工者:㈱ヤマウラ(長野県駒ヶ根市)
     ㈱岡谷組(長野県岡谷市)

◆中部建築賞について 
 この建築賞は、中部圏域の地域社会の発展に寄与し、かつ「持続可能な社会」を目指すという時代の要請に対応し、地域と環境に根ざした優れた作品に対して、その功績を讃え、これを賞するものであります。
 したがって審査もそれらのことを総合的に検討されるとともに慎重に進められます。本賞は、その規模と内容の特殊性については今日までに行われた賞と比べて大きな特色を持つものであります。
 とくに、本賞が建築主、設計者、施工者の三者を賞することは、一般社会と建築プロフェッションとの結びつきにおいても、また、建築がその地域社会において、重要な文化性をもっていることを広く一般に認めていただけることに役立つものと期待するものであります。(中部建築賞協議会HPより)
 第45回中部建築賞一般部門には53件の応募があり、入賞6施設、入選2施設となっています。

◆受賞理由
 人のデリケートな深層部分のケアを行う病院「長野県立こころの医療センター駒ヶ根」は、今までの閉鎖的で隔離された精神病院とは大きく異なっている。
 その違いは、建替えにより今までの病院に比べ病床を55%減らし、長期入院ではなく「地域に帰るための病院」となっている点である。
 駒ヶ根モールと名付けられた受付や診察室が面するメインの通りは、吹抜けから光が降り注ぐ大空間となっており、カフェコーナーがあるなど街の賑わいが演出されている。
 病棟のナースステーションはオープンスペースとなっており、スタッフと患者が近い距離で接するなど、精神病院の隔離された扱いではなく、患者が日常生活に戻る為の新しい試みが随所に見られる。
 外来患者と救急患者との動線を別けるが、医療側では同時に対応できる配置となっており、また病棟室には光庭を設けて休憩できるベンチを配置するなど、駒ヶ根の自然が楽しめるプランになっている。
 病室は木を多用した内装で、窓には障子が付いているなど寝室に居るような室内となっており、患者にも勤務する側にも動きやすく心が休まる造りは、既存病院の休業無しの建替えの過程や、厳しい制約の中の計画とは思えない巧みな構成である。
 限られた予算の中で、外断熱とタイル貼りを採用してランニングコストを軽減し、既製品や規格材を要所に上手く取入れて、耐久性や使い勝手の良さには妥協せず、将来の変化にも対応出来る造りとなっている。
 低層で勾配屋根の連続する外観は南アルプスと中央アルプスの山に挟まれた雄大な自然に調和し、たたずんでいる。
 開かれたこころのケアを行う病院へ通う患者の数は増加し、県外からも通院する人がいるようだ。
 建築の質の高さだけでなく、地域に根ざし住民に必要とされているこころの医療センター駒ヶ根は中部建築賞としてふさわしい施設である。