これまで当院は「ひらかれた病院」、「断らない病院」、「つくり続ける病院」といってきましたが、新しいキャッチフレーズを

「あなたの手の届くところに」

に決めました。かつて駒ヶ根病院が昭和40年代に全病棟を開放化して、集団管理から個別医療を目指した頃、「手の届く看護」と主張したことを思い出して考えました。

あちこちの精神科病院のホームページを開くと、色々なキャッチフレーズが目にとまります。「こころを元気にしたいから」、「心によりそい、チームで支援」、「やすらぎとふれあいの医療」、「最新のこころの医療で回復をめざす」、「私たちは安心と最善をお約束します」、「心と語らう。心に寄り添う。」などが謳われています。最も過激だと私が感じたのは、日本精神神経科診療所協会の「これからはお前の道を行きなさい」です。

一般医療でも、治す医療から癒す医療へ、そして寄り添って患者さんの人生を支えるという理念を目指しています。当院では近年、救急医療や専門医療に力を入れていますが、基本として大切なのは、患者さんの身近に居て寄り添う姿勢です。

病院と地域との敷居が随分低くなり、外に出向いて行うアウトリーチ活動(相談支援、訪問看護、訪問診療など)が今後期待されています。その際に援助者に必要になることは、利用者や家族が主役であることを常に確認して関わり、相手の個別性を尊重し、自律性を尊重しながら「動機」を引き出す技術です。