昨日は遅くまで電子カルテ全体ワーキングの議論が続いて、ご苦労様でした。外来患者さんのフローを整えるのはとても大変です。自動車をラインで生産するような訳にはゆきません。

席上、電子カルテの本質は何かと、頭の中で空想していました。日本では業務改善の手段、オーダリング・システムの延長と考えられがちですが、欧米では、医療の質の向上に重点があると聞きます。前回、読めるカルテになると書きましたが、欧米では秘書がいてタイプライターで打つのですから、電カルでなくても読めました。

電子カルテの「強みと弱み」を考える必要があります。画像診断や検査結果をすぐに知り、説明するのには確かに効果があります。(あまりのリアルさに気持ちが悪くなったと述べた患者さんもいます。理科室の人体模型を見る感じでしょうか。)しかし、精神科では患者さんや家族の話を聞くことが主な仕事ですので、文字入力の負担が大きい。テンプレートや定型文を利用するでしょうが、チェーン店の料理のように微妙な味の違いはなくならないかと心配です。(スローフードを懐かしむ。)言葉だけでなく。同時に口調、表情やしぐさなども観察しています。老人ならば、家族歴や生活史を聞きながら、長谷川式など試行しなくても、実は物忘れや自己状況認知能力などの現在症をみているという高度な作業です。

本来はメモを取り、診察の後に正式に記録すべきなのでしょうが日本の外来診療ではとても無理です。逆に考えれば、主に医師と看護師ばかりに任せられている外来診療体制を、電カルテ導入を機に根本から考え直すチャンスです。県精協総会資料に初診患者さんに対して「地域連携室の強化、初診予約制、そしてインテーク面接の三点セットの確立が急がれる。」と書きましたが、早く進めましょう。また再診、訪問看護、デイケア等も二期工事完成までに再検討が必要です。今は「新しいニーズを創り出している」のです。

急に始まった「院長のつぶやき」に驚いたスタッフもいるでしょう。実は若いころから歩きながらよく独語していました。独言はメンタルヘルスを保つコツであるという説もあります。期待してみてくれる人や、ホームページに載せろという声もあります。しかし、嗜癖的なところがあり、締め切りの過ぎている他の原稿があるので1週間はお休みします。