今日、2人のベテラン精神科医が病院見学に来られて、5時間ほど話しました。おおむね良好な印象でしたが、鍵が多すぎる点だけは厳しく指摘されました。病院の思想の問題だと批判されました。安全管理は大事ですが、「ひらかれた病院づくり」をモットーとしているのですから、今後の見直し課題としましょう。

当センターの弱みの一つである、認知症問題について話しました。近年は老年期の問題が認知症だけに矮小化されて論じられていること、早期発見・早期治療の過度な強調、画像診断と心理検査への過剰な期待、薬物療法への過信などです。整備が進みつつある、認知症疾患医療センターの功罪も述べられました。「老いることがまるで悪である」というような今の風潮はおかしい。(「ガリバー旅行記」に日本が不老長寿の国として書かれているのはご存知ですか。相当皮肉な内容です。)

新しくなって周りからの期待が多すぎるでしょうと同情されました。機能分化が進み各分野に分かれて働いていますが、ヨコの連携が極めて重要であると教えられました。又たとえば、医師を考えると、病院組織としては以前より専門化した役割が求められていますが、個人としてのキャリアアップの視点も欠かせません。私自身も経験しつつありますが、いろんな患者さんを診ないとスキルが下がります。忙しさを公平にすればよいというだけでは足りないと気づきました。

認知症対策や自殺予防については本当にいろいろ喧伝されています。病院や精神科関係者だけなく、開業医や患者・家族も巻き込まれています。しかし、どこまで正しいのかと迷い続けるのが、精神科の日常臨床です。(先年亡くなった浜田晋先生の言葉。遺された多くの一般書を新デイケア棟の本棚に置く予定です。)

一週間休むつもりでしたが、筆をとらずにはいられなくなりました。