デイケア棟が12月にようやく完成しました。(体育館は1月に完成しました。)当センターのデイケアは1983年に試行が始まり、1994年から正式実施となったのですが、これまでは病棟を転用した施設での不自由な運営が続いていました。今回やっと新しい施設が出来て、感慨ひとしおです。

体育館が改築中のため、食堂兼集会室で行われた気功プログラムに偶然参加したのですが、床暖房の心地よさに寝てしまうメンバーがいました。天井が高いので「呵呵大笑」の声がとても良く響きました。空間が違うだけで、デイケアも新しく変化するのでないかと感じています。場所も外来にぐっと近くなったので、とても便利です。入り口に加島祥造先生の詩画「おゝ いま生きずして」が掲げてあります。

デイケアの歴史的源流は実は2つあります。一つはイギリスのビーラーの「ソーシャルクラブ」であり、他方はカナダのキャメロンの「デイホスピタル」です。デイホスピタルというのは、要するにベッドのない病院組織であり、あらゆる種類の精神疾患を治療し包括的なサービスを提供します。ドイツを例にとると患者30席に対して職員を16人配置するという手厚いものです。日本でも導入初期はモデル施設があったのですが-たとえば世田谷リハビリテーションセンター―、現在の大規模デイケアの人員配置基準は50人に対して常勤職員3人という大変手薄い人員配置となっています。つまり日本にはデイホスピタルはありません。当センターのデイケアについても議論があり、当初は市街地につくる案にもありました。しかし、マスタープラン委員会の時には病院付設になりました。

西山詮らは「これからの精神医療と福祉」(星和書店、1998)の中で、東京都世田谷区を例にとってデイケアと作業所の比較をしています。デイホスピタルと宿舎、精神科ICU、さらには地域治療チーム等をもった提案をしていますが、残念ながら現在まで実現していません。

患者さんが退院して地域に移ると、治療の場、昼間活動の場、休息と安眠の場が分離するために、このバラバラになった個人に対して、自立性を失うことなくケアを提供するためにケースマネジメントという発想が出てきました。ACTの話もその延長線上にあります。新しい地域リハビリテーション部の事務室は、多職種の職員が一堂に会するようにしました。個々の患者さんに応じた、こころの医療センター駒ヶ根独自の新しいタイプの地域ケアプログラムを創るよう準備を進めています。