東京出張からの帰りに茅野駅に降り立って蕎麦を食べた後、イッセー尾形の1人芝居を観ました。市井の7人の男女が演じ分けられていました。特に感心したのは、客の来ない場末の旅館の仲居―よく喋るがどこか皮肉っぽくて客が逃げてしまうー、タバコを吸いながら客とポーカーをする生命保険外交員―馬鹿話をしながら、ちゃっかり情報収集するー、そして、尺八を吹く渡し船の老船頭―中国人観光客を相手にズレた昔話をして、最後はシュールな物まねをするーでした。(何の物まねかはあえて明かしません。)

言葉よりも仕草を上手につかんでいるのに驚いてしまいました。よくよく人間観察をしているのでしょう。大笑いはできませんが、そうそうと相槌を打って、最後は苦笑いです。軽妙なので重くはなりません。彼の演技を鏡にして、自分の姿を見ている感じになりました。

3月には、何人かの職員は人生の節目を迎えました。送別会には大勢が参加して、各部門からの余興に盛り上がり、会場の床は揺れました。人を送るというのはそれぞれの感慨や寂寥があるはずですが、力強いパワーが吹き飛ばしそうでした。 平均寿命が延びたために、我々は二つの人生を生きなければならなったと、ドラッカーは言っています。「第2の人生をもつには、一つだけ条件がある。本格的に踏み切るかなり前から、助走していなければならない。」なるべく若いうちから競争的でない生活とコミュニティを作りあげろというので、私には手遅れかなと考えこんでしまいます。「見る前に跳べ」(W.H.オーデン)はもちろん苦手です。

さて改築竣工記念講演会には、加島祥造先生(タオイスト、英文学者、詩人)をお呼びします。内容は「こころの自由とバランス」と決まりました。時間に追われる日常を離れて、ゆったりとしたひと時を持っていただければ幸いです。駒ヶ根モールに舞い降りた雷鳥もお見逃しなく・・・。

 

純白の雷鳥  津野祐次先生撮影

純白の雷鳥  津野祐次先生撮影