5月19日に無事に第2期工事竣工式と改築記念講演会が盛大に行われました。大勢の皆さまのご協力に感謝します。

作務衣姿の加島祥造先生の講演はとてもユニークでした。現在89歳ですが、あと2冊は本を書きたいというエネルギーの持ち主です。「こころの自由とバランス」いうお話の要約はむずかしいですが、順不同に印象に残った点を記してみます。

まずは「・・・からの自由」、「・・・への自由」、そして「inner freedom」の順で話されました。我々は3歳から6歳のころの「安らぎと喜びの記憶」を忘れているというのです。若いころには、自分もいろいろと求めたといいます。

信州に移られて心境が変化したといいます。国木田独歩の「山林に自由あり」を引用して、自然の中で「許される」体験について述べられました。社会活動の中でも、競争と共存とのバランスにより、something greatを見つけられるといいます。エコロジカルな視点だと感じました。

日本語の「こころ」という言葉の多義性を紹介し、頭で考えるだけでなく、直観intuitionによる気づきawarenessの大切さを強調されました。以前は、「こころ」をあいまいな言葉として嫌っていたが、今は違うそうです。

仕事の忙しさを離れて、毎日の中に「受け入れる」時間をもつように提案され、今の自分を愛することを忘れないようにと助言されました。聴衆の中には追っかけの方もいたようですが、明るい表情で帰られました。

お礼の言葉として、「精神医療センター」ではなく「こころの医療センター」を選ぶことにより、先生のお話を聞くと予想しない大きな責任を負うことになったと述べました。耳が遠いこともあってか、壇上で突然、「ところであなたは何科の先生?」と聞かれて困りました。答えは「精神科」で良かったのか疑問です。「こころ科」とは言えませんでした。

ゆっくりと話され、間があるので連想がいろいろと浮かびました。、たとえば、先生のおっしゃる「いのち」とは、AA(アルコール・アノニマス)ならば「神」あるいは「ハイヤー・パワー」というだろうと感じました。「気づき」からは、集団精神療法での沈黙の時間を思い出していました。難しい内容を分かりやすく語られるので、庵を訪ねてお茶をごちそうになり、続きをうかがいたい気分にさせられました。最新刊は、「ひとり」(淡交社)です。