つぶやき始めて、1年がたちました。この1年はとても速かった。さて「光陰矢のごとし」と言いますが、45年ぶりに中学校同窓会に参加しました。還暦なのでお伊勢参りです。ブランクが長すぎて、何人かは最後まで顔と名前が一致しませんでした。自分の記憶があてにならないことがわかり少し愕然としています。帰ってから、あわてて卒業アルバムを見直しました。

一人一人の名前を思い出すのをあきらめて全体を眺めていると、参加者数が少ない女性陣の方に元気がありました。男性の方は定年を迎えたりしてしぼみがちですが、村おこしの取材に飛び回っている女性がいたり、かつてのマドンナが児童相談に取り組んでいました。虐待問題について相談を持ちかけられましたが、当センターの児童精神科病棟の存在をホームページで知ったようです。

帰り道、猿田彦神社(みちひらきの神)に病院竣工のお礼を申し上げてから、「はじめの一歩」のお守りを買い求めて、おみくじをひきました。「花は皆ちりて あとなきこずえには 実のらん秋のただ待たれけり」先憂後楽という内容なので今のセンターの状況にピッタリでした。

最近リバイバルしている本に、外山滋比古の「思考の整理学」(ちくま文庫)があります。中に「忘却のさまざま」の章があり、忘れることの効用を書いています。いわく、「人間は、文字による記憶を覚えて、忘れることがうまくなった。それだけ頭もよくなったはずである」とあります。睡眠、お茶、運動、散歩がそのための方法です。電子カルテがまさにその典型ですが、この「はずである」が味噌です。

一日40人以上の外来患者さんを診察していると頭が一杯になり、時に耳鳴りがします。同氏の近著「忘れる力」では休み時間の重要性を説き「われわれは、忘却によって、頭が良くなっている」と説いています。「認知症恐怖症」になるよりも、忘れることを前向きにとらえる視点がありそうです。わかりやく、短い章に区切られているので、寝る前に読むには最適な本です。自分で考えている気になる文章がつづられています。