40年も前に、ドイツのブランケンブルクが「仕事の背景」を取りあげている。仕事においていつもすでに暗黙のうちに前提とされている基盤、言い換えればネガティブな仕事、あるいは、しない仕事についてである。たとえば、うつ病者は仕事を特別に高く評価しているので、回復のためには、「全くしないよりは少しはまし」、仕事に「住みつく」、誰かのために役立つ方向へ助言した方が良いという。

情報化社会になりサービス産業が増加して、朝日新聞によれば、新卒採用アンケートでは、選考で特に重視した点のうち、8年連続してコミュニケーション力が一位であるという。グローバリズムの時代に、違った価値観をもつ人間同士が意思疎通を図る必要性が増したのである。そして実際には自信のある人とない人が半々であるという。また、仕事、地域、仲間で求められるものが違う。退職した元企業人は、上下関係がないとコミュニュケーションが苦手である。一方、コミュニケーション力が落ちていると答えた人が6割もいた。インターネットやケータイの影響がありそうだ。

しかし、齋藤孝によれば、コミュニケーションを単なる情報や知識のやりとりだと思うと、コミュニケーションには失敗してしまう。仕事の相手ですら、情報と同時に感情のわかちあいは行われており、それを意識している人とそうでない人では、結果に大きな違いがでる。相手が伝えようとしている意味を、自分はしっかり受け取っているのかと自分に問いかけ、自分が理解した内容を反復して、相槌を適切に打ち、それに対する相手の反応を見ることで、自分が相手を誤解してしまっている部分を自己修正しつづけることが大切で、それによって信頼関係が深まってゆく(たいていの人が当たり前にやっていることをくわしく書くとこうなる)。

囲碁の対局において、ネット対局では、対面しての対局に比べて前頭葉が使われないという研究を思いだした。電子カルテになり患者の顔を見ないで診察すると、とんでもない誤診が起こる危険性がある。