仕事納めの日に忘年会に出かけた後、寝正月になってしまいました。大雪の寒さで風邪をひいたためです。おかげで年中行事のツルバラの剪定、窓ふきと障子の張り替えが出来ませんでした。

出鼻をくじかれたので仕方なく横になって、高倉健のTVドキュメンタリー「仕事の流儀」を観ました。映画「あなたへ」の撮影中も、とても寡黙な人物です。役作りには山本周五郎の描く主人公を参考にしているといいます。「山本周五郎の描いた男たち」は絶版なので手に入らず、かわりに「山本周五郎のヒロインたち」を取り寄せてみました。戦中の作である「日本婦道記」に描かれた女性像は、自己犠牲的、献身的であり、現代の女性とはずいぶんと違うようです。

映画「幸福の黄色いハンカチ」では、刑務所帰りの無口な主役を高倉健が演じていました。私自身は主人公にあまり共感できず、脇役の武田鉄也や桃井かおりの方を懐かしいと思います。高倉健に感情移入できるのは、私よりももっと上の世代でしょう。アメリカのフォークソングに題材をとり、北海道の景色とマッチして人気が出ました。そういえば、同級生の一人が北海道旅行で知り合った彼女と結婚しているのは、この映画の影響かもしれません。

おなじく、再放送されていた連続テレビドラマ「おしん」は、東南アジアやアフリカで、とても人気があるそうです。今の日本では「献身」という言葉に、どれ位のリアリティを感じられるでしょうか?最近盛んに行われている威勢の良い大上段の論法よりずっと良い気がします。

さらにもう一つ付け加えると、映画「東京家族」を観てきました。田舎の老夫婦が、東京に住む息子や娘を訪ねる話です。瀬戸内海の海産物や重い味噌を持参するのですが、子どもたちの忙しさや住宅の狭さのために、たらいまわしにあいます。親からの愛情を正直に受けとめるのは、期待を裏切ってフリーターをしている二男とその彼女という所が興味深かったです。きれいな景色がいくつも出てきますが、横尾忠則のデザインした、二男の住むアパート室内装飾が凝っていて素晴らしかったです。60年代のテイストです。今年の正月は、過去の振り返りから始まりました。