互助会から永年会員の旅行券をいただいたので、四国旅行に出かけました。初日は敬意を表して、金毘羅宮をお参りしました。有名な階段は1368段もあるのですが、785段の御本宮まででリタイアしました。霊験早太郎ならぬ、こんぴら狗が出迎えてくれました。階段を登れぬ飼い主にかわってお参りするのだそうです。江戸時代には、いろんなお使い犬がいたと言います。また展望台からは、讃岐平野が見渡せて気持ちが良かったです。しかし、登ったからには、降りなければいけない訳で、後になってしっかりとふくらはぎが筋肉痛になりました。

 翌日は、今回の旅の本命であるイサム・ノグチ庭園美術館を観ました。彼はアメリカ生まれの世界的芸術家で、父が日本人、母がアメリカ人です。父の米次郎(詩人)は、息子と母を残して勝手に日本に帰ってしまいました。母のレオニー・ギルモア(小説家)については、最近「レオニー」として映画化されました。彼女はイサム・ノグチと妹を独力で育てました。

 イサム・ノグチ庭園美術館は、工房とした高松市近くの庵治(あじ)という花崗岩の産地にあります。庵治の他には、アメリカとイタリアにもアトリエがありました。午後1時からのツアーには20人近くが集まりました。展示場の「マル」(作業場)と住んでいた「イサムヤ」(住居)とその庭を見て歩きました。中でもポスターになっている「energy void」(空虚なエネルギー)はとても大きな円形の作品なので、制作後に酒蔵を移築してかぶせたと言います。環をくぐればエネルギーがもらえる気がしましたが、もちろんそれは許されません。

 彼の作品は力強いだけでなく、エレガントで、東洋的、あるいは「母を求めて」と解釈されます。アメリカでは東洋的、日本では西洋的と型にはめて評価されてしまうというジレンマを抱えていました。最後には、無を表現したいという境地に至りました。裏庭の丘に上に置かれた、未完成の卵形の石が彼の墓石です。晩年になっても創作への意欲は枯れることがなく、短い見学時間でしたが、石からのエネルギーをもらえた気がしました。言葉以前の世界に接することが癒しになりました。イサム・ノグチ庭園美術館のホームページは以下の通りです。
イサム・ノグチ庭園美術館