金沢まで出かけて、香坂玲准教授から里山の生物多様性について聞きました。社会や環境に適応しながら何世紀にもわたり土地利用や農業が続けられているので、能登半島は世界農業遺産に指定されました。そこで重要視されているのが、生物多様性です。たとえば、コウノトリが育つような環境作りなど、能登半島の村おこしの事例が紹介されました。自然栽培米をローマ法王に送った話は有名です。

国際的には環境を保全するだけでなく、生物学的遺伝資源を先進国や巨大企業が独り占めしないで、公平に配分することがトピックとなっています。たとえば、パンダのうんちの中のグラム陽性有芽胞桿菌が生ゴミ削減に役立つのだそうです。線虫については未だほとんど知られていないので、今後、医学に役立つ種類が見つかるかもしれません。

帰り道は岐阜に寄って、アルコール関連問題学会に出席してきました。近年は断酒一本槍ではなくて、飲酒量低減を勧める早期発見・早期治療の試みが盛んです。スクリーニングテスト、酒による損得のバランスシート、飲酒日記などを使ってこまめに指導します。当センターの場合も、入院は断酒目的ですが、外来治療では飲酒量低減も取り入れる必要があると感じています。ここでも多様性に富んだ対応が求められている訳です。

7月29日に信州省エネパトロール隊の報告を受けました。専門用語もあり理解の難しい所もありましたので、委託業者にも一緒に聞いてもらいたかった。省エネについて、高機能の建物・設備を活用する3年後、5年後を見据えたビジョンを持って下さいと言われて驚きました。

以前のつぶやきで、「健康増進活動拠点病院・国際ネットワーク」という活動にふれたことがあります。世界で700あまりの病院が加入して、中でも台湾の病院が熱心に環境問題に取り組んでいます。新しいビジョンとして「里山ホスピタル」というのはどうでしょうか?
新病院になり救急医療や専門医療に力をいれて、疾病や症状が多様化しています。それによってますます機能分化が進んでいますが、全体像を里山のように眺めてみることも必要でしょう。自然環境に優しいだけでなく、人材の多様性が持続可能な病院つくりには不可欠です。