「南国港町おばちゃん信金」(原康子著、新評論)を読みました。南インドのビシャカパトナムでの途上国支援の話です。マイクロクレジット(小規模融資)を立ち上げようとするのですが、スラムのおばちゃんたちは「で、アンタ何くれる?」と言うだけで話が先に進まない。支援者は「こちらがお金をもっている」というだけで「相手との関係づくり」を忘れがちだと言います。(お金というところを「医学知識」と置き換えると、どうでしょう。)
基本的に必要になるのは「援助しない技術」だとして、そのステップを紹介しています。

 

  1. 自分の立ち位置を理解する。「お前は何をするためにここにいるのか?」「いったいお前は何者か?」
  2. 事実のみを聞く質問もしくは対話(相手の声に耳を澄ます)を通じて、相手自身の状況を相手自身の言葉で語ってもらう。
  3. 事実のみを聞く対話をさらに続けながら、相手の「事実」と「思い込み(解釈)」を嗅ぎ分け、事実に基づく課題を把握する。同時に、相手と活動を共にしようとする時、どのような共通課題が生まれてくるのかをあらかじめ考える。
  4. 共通課題を見つけたら、「私もこのような形で一緒に取り組みたい」という共感の意志を相手に丁寧に伝える。
  5. 相手から同意が得られるまで「待つ」
  6. 具体的な実践活動に入る前に、一人なら何が出来るかできないか、仲間となら何が出来るかできないかなど、相手に考えてもらう。相手の意見に耳を傾けながら自分も考える。
  7. それぞれの活動領域が明らかになったところで、活動計画を一緒に作っていく。誰にとってもわかりやすいように図や絵を用いる。
  8. 計画表に基づき一緒に実践活動を行う。
  9. 実践した後、うまくいったこと、いかなかったことを話し合い、次の活動に活かす。
  10. 1から9までの繰り返し

 
これらの原則は、私たちが普段話し合っている支援会議と共通していると感じました。目指すのは患者さんを中心にしたコミュニティ作りです。著者は、派遣地と生まれ育った岐阜県の様子を対照的に書いています。