皆さんは依存症という病気をご存知ですか?依存症という病気について、ぜひ知っていただきたい3つのことがあります。

ひとつは、誰もがなりうる病気だということです。意志が弱くて病気になるのではないのです。アルコールや薬物など依存物と偶然に出会い、何度も使っているうちに脳に変化が生じ、いつしか自分ではやめることができなくなります。「ダメ。ゼッタイ。」とか「意志を強くもって」といわれても、自分ではコントロールすることも、やめることもできなくなっていくのです。依存症の本人も自分自身をコントロールできないですし、家族もコントロールを失った人をなんとかコントロールしようとするので、みんなが疲れはてていきます。

もうひとつは、依存症の人の中には、なにものによっても癒されなかった心の傷や痛みを、唯一依存物が癒してくれたという経験のある人が多くいます。そうした人は依存物をやめるだけでは、なかなか回復できません。多くの人との関わりを通して、依存物ではなく人に癒される体験が回復につながります。ひとりでやめるよりも仲間とやめる方がいいのです。

最後に、依存症の治療は、まず依存症外来に来ていただくところから始まります。外来に来てくださった方々には、「よくきてくれましたね」と、心から今までの苦労をねぎらい、一歩を踏み出せた勇気に敬意をお伝えするようにしています。あなたやあなたの大切な人がもしかして依存症かな?と思ったら、ぜひ一度ご相談にお越しください。

(精神科医師)