日頃、精神科への受診や入院は、患者さんにとってハードルが高いものではないでしょうか。
しかし、災害や犯罪被害、虐待・いじめ・体罰など私たちを取り巻く生活環境は、年を追う毎に心の健康を損ないやすくなってきているのが現状です。
肩や腰の痛み、風邪をひいたりおなかが痛くなったりした時、私たちは当たり前のように病院へ行って病状をみてもらったり、症状を緩和するための薬を処方してもらったりするのに、心の痛みや不安に対しては何か後ろめたい気持ちになって、家族や友人にも相談できず一人で我慢してしまうことはありませんか。
しかし、我慢できないような心の痛みや不安を抱えてしまうと人は、眠れなくなったり食欲不振になったりして、身体的にも支障を来たしてしまうことがあります。
そうした時に、ストレスの原因から物理的に離れた環境を整えて「心の休息」を得るための選択肢として、入院治療があります。
入院治療では、バランスを崩した衣食住のリズムを取り戻すことを中心に、患者さんが抱えている不安を解きほぐす様に会話の内容を整理したり、大きすぎる課題に対してはスモールステップの目標を設定したりして、治療に取り組めるように援助を行っています。悩みをうち明けることで人はリラックスできるものです。
ストレス社会と言われる時代を生きる私たち。誰もが心の傷を負いやすい現代だからこそ、「精神科」という言葉の偏見や差別意識をなくしていく必要を感じています。
(急性期病棟看護師長)