「健康診断で肝機能の数値が悪いのに、休肝日が全くない。お酒がやめられず体を壊してしまうのでは」「ギャンブルはやめると誓ったのに嘘をついてパチンコ屋に行っている」依存症は患者本人よりも周囲が先に気づくことが多いものです。周囲が心配しても本人は問題をすぐには認めません。 
周囲の人が何度も注意をしても聞き入れず、逆ギレをされたり、嘘をつかれ約束を破られたりして、家族は徒労感と悲壮感の中に落ちていきます。
当院ではアルコール・薬物・ギャンブル依存症者の家族を対象に「依存症で悩む家族のためのプログラム」を始めました。CRAFT (クラフト)というアメリカで開発されたコミュニケーショントレーニングを用いています。これを家族が実践したところ、治療を拒否していた依存症者の70%が治療につながったという結果が出て注目を浴びているプログラムです。
家族の皆さんがこれまで働きかけてきたことに加え、本人へ届くコミュニケーションを一緒に考えてみませんか? このプログラムを通じて、家庭内の対立を招かずに、本人の受診や相談につながることを目指しましょう。
依存症に関わらず病気を患っている人が家族にいると、その家族は悩み、心配をするあまり、自分のことを二の次三の次にしてしまうことがよくあります。しかし自分自身も大切な存在だということを忘れないでください。1日10分のティータイムでもよいので、自分自身を癒す時間を持つよう意識してみてはいかがでしょう。
(精神保健福祉士)