こころの状態は食欲に大きく影響し、また栄養状態もこころに大きく影響します。

「私は命を狙われている」、「食事には毒が入っているに違いない」と食事がとれない被毒妄想の患者さん、本当はやせているのに鏡に映った姿を見て、まだまだ太っていると感じてしまう摂食障害の患者さん、食欲そのものが無くなってしまう重度のうつ病の患者さん

栄養状態が悪くなると脳自体がやせ、認知機能が変わり精神科の治療にも悪影響が及びます。また、精神科の投薬内容が食行動に影響することもあります。

職種の壁を越え、多職種で連携して栄養をサポートするチームをNST(栄養サポートチーム)と呼びます。日本では1998年に鈴鹿中央総合病院に初めて作られました。現在、総合病院には広く普及していますが、単科の精神科病院では、まだめずらしいかもしれません。

当院では、2014年に活動をはじめ、メンバーは管理栄養士、薬剤師、臨床検査技師、作業療法士、公認心理師、看護師、医師で構成されています。入院された方全員に、入院時の栄養スクリーニングを行います。そのうち、食事摂取不良、低栄養、褥瘡、糖尿病、重度肝障害の方などがNST対象となります。病棟では週に1回、カンファレンス、ラウンドを行い栄養評価、治療計画、モニタリングを行っています。

栄養療法は、直接の治療ではありませんが、栄養状態が悪いと合併症を引き起こしたり、病気が良くなるのを妨げたり、遅らせたりします。

院内では裏方ですが、多職種で知恵を出し合い少しでも患者さんの元気になる姿が見られるように頑張っています。  (精神科医師)