入院中の作業療法 ~作業療法(Occupational Therapy:OT)とは~
- 作業(ストレッチやリラクゼーション、音楽鑑賞、手工芸、料理など)を少しずつ実践することを通して、症状の軽減、気分の安定、対人交流、作業遂行機能(認知機能、体力、集中力)などの改善を図ります。体力や幸福感の回復を感じながら、生活のしづらさを少しずつ取り除き、退院後にご自分が望む健康的な生活が送れること目指すリハビリテーションです。
- これまでの生活で大変だったこと、退院後の生活で心配なこと、これまではできなかったけれどまたやりたいことなど、ご自分の望む生活について考えながら、休息の仕方やストレス対処法などの練習、環境調整もおこないます。
- 「人は作業を通して健康や幸福になる」という基本理念と学術的根拠に基づいています。
(日本作業療法士協会ホームページ「作業療法の定義」より引用)
主なプログラムスケジュール
時間帯 | 対象病棟 | 月 | 火 | 水 | 木 | 金 |
---|---|---|---|---|---|---|
午前 | 児童精神科 救急・急性期 総合治療 | パラレル | リラクゼーション | |||
午後 | 救急・急性期 | ストレッチ | お茶会 | 懐メロ | 趣味活動 | |
午後 | 総合治療 | 懐メロ | ストレッチ | 趣味活動 | 脳トレ/音楽療法 |
プログラム紹介
パラレル
創作活動(手芸、革細工、アート、陶芸など)や脳トレ、エアロバイク、園芸、音楽鑑賞、読書など、それぞれの目的に応じた作業をおこないます。簡単にできることから始められます。頑張り過ぎないよう、ペース配分の練習も行います。
リラクゼーション
足浴や手浴(入浴剤、アロマ)、マッサージ器などを通して、心身のリラックスを図ります。
ストレッチ
椅子に座ってできるようなストレッチやセルフマッサージ、体力づくりのためのエクササイズをおこないます。
お茶会
コーヒーやハーブティーなどを飲みながら、ゆったりとした時間を過ごします。読書やお話し(他の患者さんやスタッフと)を楽しむこともできます。
他職種(精神保健福祉士、デイケアスタッフ、栄養士)から取り組みを紹介する時間もあります。
懐メロ
昭和から平成の懐かしい曲をリクエストしていただき、お茶を飲みながら音楽鑑賞をおこないます。
趣味活動(手工芸)
アートや手芸、脳トレ、麻雀など興味のある作業をおこない、楽しみながら気持ちが落ち着く時間を過ごします。
脳トレ
クイズやプリントを通して、脳の活性化をはかります。
音楽療法(外部講師による)
ハンドベルや打楽器の演奏、歌唱を通して、楽しみながら不安やストレスを和らげます。
その他のプログラム
すずかけサークル(毎週水曜日)
認知症や65歳以上の方が対象です。お茶を飲みながら懐かしい頃のことを語り合い、ストレッチやレクリエーション、季節を感じるようなイベント(干し柿づくり、今年の漢字、かき氷、利きキノコなど)を行います。
料理プログラム(不定期)
退院前に料理の練習をしておきたい、楽しみたい、挑戦してみたい方が対象です。食事やお菓子など希望のメニューを作業療法士と話し合い、調理をして食べ、片づけまでを行います。
児童病棟(A1)パラレルOT(毎週木曜日)
自分の好きな、またはできそうな物作り(手工芸)を通して、「楽しみながら自信をつける」、「道具を使う」、「集団の中で過ごすことになれる」、「困ったときに大人に相談する」といった練習を行います。