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幻覚や妄想などを生じる病気です。さまざまな症状、経過をとりますが、一般には10~20代の若年期に発症することが多い疾患です。症状は長く続くため、根気強く付き合っていく必要があります。昔は治療法も乏しく、重症となることも多い疾患でしたが、現在は軽症で維持できる方も増えています。

症状

多様な症状を呈しますが、代表的な症状としては幻覚、妄想があります。

幻覚

現実にはない刺激をさも存在するかのように認識してしまう状態です。五感いずれもが障害されますが、特に幻聴が多く、自身を攻撃してくるような声が聞こえることが多いようです。「お前は馬鹿だ」、「死んでしまえ」など、聞くに堪えない内容さえも聞こえてきます。

妄想

現実でない内容を確信してしまう状態です。内容は多岐にわたり、「私は神になった」と確信する、「巨大な組織から追われている」と恐怖に駆られる、「芸能人の○○さんと恋人関係なんだ」と信じるなど、多種多様です。

原因

原因はわかっていません。遺伝は関係しているようですが、同じ遺伝子を共有する一卵性双生児でも両者が発症するケースは半分程度に過ぎず、遺伝子以外の要素も多く関わっていると考えられています。脳内伝達物質の過不足など、様々な説が提唱されていますが、未だはっきりとした原因は不明です。

診断

アメリカ精神医学会が提唱する診断基準(DSM)や、WHOが発行している診断基準(ICD)を参考に診断を行っています。妄想や幻覚の存在、症状の持続期間などをもとに、診断を下します。

治療(一般論)

抗精神病薬と呼ばれる薬物療法が中心となります。症状が改善しても薬は継続する必要があります。また、心理的な介入も改善に効果があることがわかっているため、薬物療法と並行して行います。身体的に危機的な状況に陥った場合は、一時的に電気けいれん療法を必要とすることがあります。

当院の統合失調症プログラム・治療

薬物療法を中心に行っていますが、心理的な介入も行っています。当院で行っている治療法をいくつかご紹介します。

クロザピン(商品名クロザリル)

薬を適切に使用しても改善が得られない、「治療抵抗性」と呼ばれる患者にも効果があるとされている薬剤です。様々な副作用があるため、決められた医療機関でしか処方できない薬剤です。当院は他院とも連携し、クロザピンの処方を行っています。

社会生活技能訓練(SST)

統合失調症を発症すると、他者との接し方、社会の中での振る舞い方などがわからなくなってしまう、というケースが多くみられます。視線の合わせ方、他者の気持ちに対する考え方などを練習していきます。SSTにより、社会の中で生きやすくなり、入院や社会での不適応が減ることが期待できます。

やわらか頭教室

妄想や幻覚を抱くと、思考に柔軟性が乏しくなり、相手を誤解してしまうことが増えやすくなります。集団でクイズや話し合いを行い、硬直した思考を解きほぐし、症状を改善することを目指します。